2023年コンクール受賞パスティーシュ集
2023Société des Amis de Marcel Proust et des Amis de Combrayは、2019年よりプルースト風パスティーシュ・コンクールを毎年開催しております。これは、この厳格な文学的試みに対するプルーストならではの嗜好を今に伝えるためのものです。パスティーシュとは、いわば文体を学ぶための学校であり、比類なき文章の内側に分け入る一つの方法です。プルースト自身もまれに見る喜びをもってこの手法に取り組みましたが、その模倣者たちは、世代を超えて今なおその証を残しています。本書に収められた最良の作品を生んだ第5回コンクールには46名が参加し、あらゆる年齢・あらゆる背景の読者を魅了するこの形式の人気の高さを改めて示す結果となりました。
本書には11編のパスティーシュが収録されています。コンクール2部門の受賞作に加え、審査員による審議で2票以上を得た作品も含まれます。これらはエリック・アンジェ(Éric Unger)によって編纂・編集され、Société des Amis de Marcel Proust et des Amis de Combrayの監修のもと刊行されました。
概要
プルーストは、他の作家がなかなか及ばないほどの卓越した技巧と喜びをもってパスティーシュに取り組みました。1908年から1909年にかけて、彼は同一の事件を複数の作家の文体を模して描いた一連の記事を執筆しました。これらは『レモワン事件』(L'Affaire Lemoine)として知られ、1919年に『パスティーシュと雑纂』(Pastiches et Mélanges)に収められています。また、『失われた時を求めて』最終巻にあたる『見出された時』には、ゴンクール兄弟の日記を模した有名なパスティーシュが含まれており、この手法が全作品にわたって息づいていることを示しています。比類なき密度と音楽性を備えたプルーストの文体は、それ自体が数多くの模倣者を生み出しました。アンドレ・モーロワ(André Maurois、『チェルシー河岸』)、ジャン=ルイ・キュルティス(Jean-Louis Curtis、『中国が気にかかる』『フランスに疲れ果てる』)、そして近年ではマルク・ランブロン(Marc Lambron)やジャック・ドリヨン(Jacques Drillon)などが挙げられます。
第5回コンクールは、誰でも参加できる一般部門と、25歳未満の参加者を対象とする部門の2部門で構成されました。応募作品はいずれもフランス語で書かれたオリジナルの未発表作品であることが求められ、文字数は3,000字から10,000字の範囲、プルーストの文体に着想を得て、あたかも彼自身の筆によるものと見紛うほどの完成度が求められました。なお、扱う題材については、プルースト自身が好んで用いた時代錯誤(アナクロニズム)にならい、必ずしも作家の生きた時代に縛られる必要はありませんでした。
2023年のコンクールは、『失われた時を求めて』第5巻『囚われの女』(La Prisonnière)刊行100周年を記念して開催されました。義務ではないものの、この節目の年に敬意を表し、応募作品に「囚われの女(prisonnière)」という語を盛り込むことが規約により奨励されました。応募総数は46編にのぼり、そのうち各部門の受賞作および審査員の審議で2票以上を獲得した作品を含む11編が本書に収録されました。
著者・寄稿者
一般部門では、第1位にキリアン・ユオルメ(Killian Huaulmé)の『アザイ嬢』(Mlle d'Azay)が選ばれました。第2位はレイチェル・ゴットリーブ(Rachel Gottlieb)の『白鳥の湖』(Le lac des cygnes)でした。会員賞はフィリップ・モレル(Philippe Morel)の『鶏たちの死』(La mort des poulets)に贈られました。このほか、同部門では4編が特別に選出されました。アラン・イモレオン(Alain Imoléon)の『町々の名』(Le nom des villes)、ジル・リュカ(Gilles Lucas)の『ほぼ忠実な写し』(Copie presque conforme)、ポール・マルタン(Paul Martin)の『サッカーの試合』(Une partie de football)、そしてエマニュエル・ド・ディヌシャン(Emanuel de Dinechin)の『ゴモラとソドム——マルスリーヌとアルベール』(Gomorrhe et Sodome : Marceline et Albert)です。
25歳未満部門では、第1位にクレマン・アルバレ(Clément Albaret)の『音楽の連鎖』(Chaînes musicales)が選ばれました。第2位はエロイーズ・ガンビエ(Héloïse Gambier)の『新生児の恋』(Un amour de nouveau-né)でした。会員賞はヴァランタン・シュテブレール(Valentin Staebler)の『ひなげし——夏の夢の追憶』(Les coquelicots — Réminiscence d'un songe d'été)に贈られました。このほか、同部門ではアメリー・ラルトー(Amélie Lartaux)の『硝子体の気分』(Humeur vitreuse)が特別に選出されました。
審査員は、アルファベット順にジェローム・バスティアネッリ(Jérôme Bastianelli)、エリアーヌ・デゾン=ジョーンズ(Élyane Dezon-Jones)、エミリー・イールズ(Emily Eells)、フランス芸術アカデミー会員のアドリアン・ゲッツ(Adrien Goetz)、イザベル・セルサ(Isabelle Serça)、エリック・アンジェ(Éric Unger)が務めました。
目次
- 序文
- 一般部門——受賞作および特別選出作品
- 25歳未満部門——受賞作および特別選出作品
- 審査員一覧
- コンクール規約
書誌情報
- 形態:ペーパーバック、109ページ
- 発行:Société des Amis de Marcel Proust et des Amis de Combray
- 納本:2023年5月